第3回「ブラック企業大賞」決まる――(株)ヤマダ電機が2冠を獲得
2014年9月22日6:02PM
労働者に劣悪な労働を強いる企業を「表彰」する「ブラック企業大賞」(同実行委員会主催)の授賞式が9月6日に東京・千代田区で開催され、家電量販店の(株)ヤマダ電機が大賞を受賞した。同社では2007年9月、当時23歳の社員が「名ばかり管理職」として扱われた末に過労自死している。
居酒屋チェーンの(株)大庄、JR西日本など、社員の過労死を招いた企業は多数ノミネートされたが、(株)ヤマダ電機の場合、04年にも当時29歳の契約社員が上司から罵倒などを浴びて自死しており、05年、遺族が提訴。さらに厚生労働省の定める「過労死ライン」に相当する店長が昨年9月時点で46人に上るとする内部文書の存在も報じられるなど、多数の要因が受賞の決め手になった。同社はインターネットなどからの一般投票で選ばれる「ウェブ投票賞」も受賞し、昨年の大賞「ワタミフードサービス(株)」に続く2冠獲得となった。
そのほかの部門では、アニメーション制作会社(株)A-1Picturesと、エステティックサロン運営会社の(株)不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)が、違法な長時間労働が野放しになっているそれぞれの業界を代表して「業界賞」を受賞。第三者委員会が深夜のワンオペ(一人勤務体制)解消など労働環境の改善を求めている(株)ゼンショーホールディングス(すき家、ゼンショー)には、「要努力賞」が贈られた。
実行委は7月末に候補を発表した(本誌8月29日号参照)が、その後ゼンショーで第三者委員会報告書の内容が明らかになったほか、(株)不二ビューティでも組合活動を理由に社員が圧力をかけられている事実が発覚したため、この2社を9月2日に緊急追加した。
また、今年6月に女性議員への差別的な野次が問題になった東京都議会は、企業においてセクハラが放置されるのと同様の構図があるとして「特別賞」に選出された。
(古川琢也・ルポライター〈実行委〉、9月12日号)