『週刊文春』、公開討論を希望――本誌は誌上を提案
2014年9月26日5:31PM
本多勝一・本誌編集委員を批判するコメントを『週刊文春』(9月4日号)に出した藤岡信勝・拓殖大学客員教授に本誌編集部が公開質問状(9月5日号の本欄で既報、全文は公式ホームページに掲載)を出した件で、『週刊文春』編集部は9月4日、藤岡氏と本多編集委員の公開討論を申し込んできた。回答者は当該記事の担当デスク。質問状を送付した藤岡氏ではなく、『週刊文春』の担当デスクが回答したことは不可解であり、残念でならない。
本誌編集部は9月5日、次のように回答した。
〈本多勝一編集委員に意向を確認したところ、文章で公開討論をしたほうが、より正確を期すことができるとともに、この問題に関心を持つ『週刊文春』と『週刊金曜日』の読者のみなさまのためになるのではないか、とのことでした。/互いの誌面に掲載することを前提にした、文章による公開討論をご提案いたします〉。本誌の呼びかけへの回答期日は9月12日。
株式会社文藝春秋が発行する雑誌での公開討論は、月刊誌『諸君!』(2009年6月号で休刊)で1972年に行なわれたイザヤ・ベンダサン氏と本多編集委員とのやりとりが有名だ(本多勝一著、『殺す側の論理』朝日文庫所収)。
『週刊文春』9月4日号で藤岡氏は本多編集委員の『中国の旅』(『朝日新聞』連載、のちに単行本・文庫本として朝日新聞社が刊行)について〈この記事は本多氏が中国共産党の案内で取材し、裏付けもなく執筆したもので、犠牲者三十万人などは、まったくのデタラメです〉とコメント。公開質問状で本誌編集部は、本多編集委員が30万人と断定していないことを著作に沿って示し、事実関係を知っているかどうかを藤岡氏にたずねていた。本誌編集部が『週刊文春』編集部からの質問を本多編集委員に取り次いだため、本誌編集部が公開質問状を出した。
(編集部、9月12日号)