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東京大行進の裏で在特会は“ひっそり”デモ――差別のない社会を呼びかけ

2014年11月17日8:33PM

「東京大行進2014」には若者の姿が多く見られ4梯団が「差別撤廃」を掲げて行進した。(撮影/植田千晶)

「東京大行進2014」には若者の姿が多く見られ4梯団が「差別撤廃」を掲げて行進した。(撮影/植田千晶)

ヘイト・スピーチ(差別扇動表現)に反対するデモ「東京大行進2014」(TOKYO NO HATE主催)が11月2日に東京・新宿区内で行なわれた。昨年に次いで第2回となる今年は約2800人(主催者発表)が参加。主題は「差別のない世界を、子どもたちへ。」で、全体を4ブロック(梯団)に分け、メッセージを発信した。

クラブ好きでもある運営スタッフの廣田奈央さん(シェフ・37歳)は、サウンドカー(街宣車)からハウス・ミュージックを流す第三梯団を担当。ハウスは黒人のゲイ・クラブを発祥とする音楽で、「街頭で曲に合わせて踊ること自体、差別反対の表現」と話す。

第二梯団では、水玉・和柄など現代風のチマ・チョゴリ(朝鮮半島の民族衣装)に身を包む“きゃわ(可愛い)チョゴリ隊”が人目を引いた。衣装はすべて趙成珠さん(朝鮮学校教員・33歳)が制作したものだ。

趙さんは中学生の頃、通学中に日本人男性から殴られた経験がある。学内で女性教員のチョゴリ(襦)着用が義務づけられていることに抵抗を感じていた時期もあった。しかし、その後学内服を自ら作り始めるようになり、現在は「差別の象徴」として語られてきたチョゴリを「可愛い普段着」へ転換することを目指している。松本春野さん(イラストレーター・30歳)は今回、デザインが「純粋にかわいい」と感じ、きゃわチョゴリ隊に加わった。だが、大行進にチョゴリを着て参加する旨を事前にツイッターで公表したところ、「ネット右翼から暴言がくるようになった」と言う。それでも当日は、チョゴリを着て参加した。「民族に関係なく、ともにチョゴリを着ることで仲良くなれる」と語る。

同日、在日特権を許さない市民の会(在特会)による300人規模(主催者発表)のデモが都内・秋葉原―上野間で行なわれた。主な行程は首都高速道路沿い(昭和通り)で、観光客などに目立つ街中は回避されたようだ。

この日は小平市(都内)の朝鮮大学校で学園祭も開催され、「朝日友好」がテーマに掲げられた。

(松岡瑛理・ライター兼社会学研究者+兼子草平・ジャーナリスト+編集部、11月7日号)

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