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都立大島高校が自衛隊と訓練――「防災教育」を逸脱か

2014年12月1日12:35PM

東京都教育委員会は11月26日~28日まで都立大島高校の「第2学年生徒のうち33名」を対象に、防衛省陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県)で宿泊防災訓練を行なう。

訓練を前に、教職員や保護者らで構成する実行委員会は11月10日、都内で反対集会(50人超参加)を開いた。配布された情報開示文書によると、都教委高校教育指導課(江本敏男課長)は4月18日、自衛隊連携訓練校を募集し、そこに応募したのが大塚健一・大島高校校長(59歳)だった。

大塚校長は4月28日付の実施申込書で、「(学校での防災教育は、学校が)避難者収容の役割と防衛省自衛隊等の活動拠点としての役割を担うことを前提に進めていく必要がある」「防衛省の搬送方法(中略)を理解、認識し、自衛の姿勢を持たなければならない」などと明記。「防衛省と連携した防災訓練を依頼」した。

また10月8日の大島高校職員会議資料の「防災教育実施要項」によると、訓練内容は「整列」「行進等」を取り入れ、「起床・点呼等ラッパ吹奏によって知らされる」「訓練以外についても自衛隊員が実行している規則(ルール)に従って団体行動」を行なうとしている。また、九鬼東一1等陸佐(防衛大学校教授)による講話を予定。

大塚校長は「昨年の台風の土砂災害復旧で自衛隊に町民は感謝している。町のため、生徒に防災を学んでほしいという思い」から、応募したと説明する。

だが、10日の集会では「災害時、生徒は自分の命を守るのが第一。避難民救助の役割まで求めるのはボランティアの範囲を超える」(都立高校元教諭)との批判もあった。

都教委は、自衛隊東京地方協力本部と連携して、都立田無工業高校の生徒を昨年7月26日~28日まで陸上自衛隊朝霞駐屯地で、今年2月3日~5日も都の施設で同校生徒に自衛隊連携の訓練を実施。学校現場に“異変”が生じている。

(永野厚男・教育ライター、11月21日号)

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