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本誌主催のシンポジウム 歴史歪曲主義を斬る
2014年12月2日10:02AM
本誌の臨時増刊号『「従軍慰安婦」問題』(10月29日発売)刊行を記念して、「事実をもって歴史歪曲主義者の“ウソ”を暴く」と題するシンポジウムが11月13日、東京都内で開かれ約60人が参加した。
冒頭、講演に立った大学非常勤講師の能川元一氏が、在日特権を許さない市民の会(在特会)や「日本会議」といった勢力が、西日本を中心に各地で日本軍「慰安婦」問題を“捏造”とするパネル展を活発に開催している現状について触れ、「彼らは改憲に運動を集中しつつあり、『慰安婦』問題はその前提として歴史の汚名をそそぐためと位置づけている」と解説した。
次に登壇した「日本軍『慰安婦』全国行動」の梁澄子代表は、『産経新聞』が、「慰安婦」の解決を求めた1992年の「アジア連帯会議」について悪質な捏造記事を掲載した実例を報告。「私たちの運動を中傷するデタラメな記事を書きながら、訂正を要求しても検証すらせず、『ご要望には応じかねます』などと回答してきた」と批判した。
さらに、東京外国語大学大学院の金富子教授は、「『慰安婦』問題が顕在化したのは右派の主張するような『朝日新聞』の『吉田証言』掲載ではなく、韓国の元『慰安婦』が名乗り出たことがきっかけだ」と指摘。その背景として90年代にアジアの民主化が進み、戦争責任を告発する気運が高まった点を挙げた。VAWWRAC共同代表の西野瑠美子氏は、「メディアによる一連の『朝日』バッシングでナショナリズムが煽られる一方、『慰安婦』問題が『朝日』と韓国の“捏造”だとするキャンペーンが人々に刷り込まれている」と、警戒を促した。
また、報道の現場から発言した『神奈川新聞』の石橋学論説委員は、「以前から『慰安婦』の記事に対し“反日”といった批判があったが、『朝日』バッシングが始まると“捏造”だという攻撃が増えた」と述べ、メディアを取り巻く状況の変化について報告した。
(成澤宗男・編集部、11月21日号)
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