八ッ場ダム予定地の国道、通行止めに未移転住民は反発
2014年12月10日10:03AM
11月18日正午過ぎ、国と群馬県は国道145号線の一部区間を八ッ場ダム本体建設のために通行止めにした。工事車両専用にすると説明するが、生活道として利用する数世帯の未移転世帯は同意しておらず、問題が散在する。
冨澤吉太郎元町議は、移転の意思はあるが、国土交通省から代替地が提供されておらず、水没予定地に留まっている。今年10月に開業した川原湯温泉新駅の東西両端部分にも土地を所有。八ッ場ダム工事事務所無償貸与していたが、そこでJR東日本の工事が始まった。JRに貸与したわけではないと抗議したが、『そういう話は国とやってくれ』と言われ」たと語る。
一方、土地買収に応じない構えの別の地権者らは、今回の廃止区間に道路管理者から返還されるべき私有地を持つ。ダム建設には使わせないとしていたところ、道路上には柵が設けられた。
18日は、八ッ場あしたの会などの市民団体が「国道封鎖絶対反対」等のプラカードを掲げ、水没区間を歩いた。封鎖地点では「住民にとってかけがえのないライフラインから一方的に閉めだす暴挙」との抗議声明が太田昭宏国土交通大臣ならび大澤正明群馬県知事宛てに読み上げられ、担当官に手渡された。
(まさのあつこ・ジャーナリスト、11月28日号)