ろくでなし子さん起訴撤回求め――各界から抗議
2015年2月3日11:59AM
芸術家・ろくでなし子さんが逮捕、起訴されたことに対し、各界から抗議の声が上がった。国際美術評論家連盟日本支部の会員有志が、「ろくでなし子氏に対する不当逮捕と起訴に対する説明と起訴撤回の要求」(1月14日付)とする文書を警視庁と東京地検に対して送付した。有志として名前を連ねているのは、岡崎乾二郎さん、笠原美智子さんら19人だ。文書では「ろくでなし子氏の作品は、公序良俗を乱すものでは全くなく、自らの性器を主題に用いて、日本を含む現代社会にいまだ広く存在し続ける性差にかかわる権力関係を、女性としての立場から明らかにし、硬直化した価値観の体系の再検証を促すという、真摯な批判的意図に基づいた作品であることは明らか」だと主張している。
また、日本劇作家協会が19日、「ろくでなし子さんの逮捕、起訴に対する抗議声明」を発表。「芸術性など性的刺激を緩和させる要素を勘案し、表現全体の評価を重視した最高裁の最近の基準に照らしても、本件は大いに疑問です」とした。
ろくでなし子さんはこれらの抗議について、「私の表現活動の被害者は誰なのでしょうか。被害者がいないのに逮捕、起訴されました。今回の事件をあらゆる表現活動を脅かす『怖いこと』として認識している人が少ないので、抗議をしてくださる方がいらっしゃることは心強い」と話している。
ろくでなし子さんの初公判の日程は決まっていないが、初公判を前に抗議の声がさらに広がっていくことが予想される。
(本誌取材班、1月23日号)