反対世論喚起へ有識者や経済人が呼びかけ――移設阻止へ「辺野古基金」設立
2015年4月30日10:43AM
安倍政権が強行する辺野古新基地建設に反対する有識者や経済人や県議らが9日、那覇市内で記者会見、「辺野古基金」設立を発表した。賛同者から数億円(目標額)を集め、米国への働きかけや意見広告掲載など新基地反対の世論喚起をすることが目的だ。共同代表には、元外務省主任分析官の佐藤優氏、菅原文太氏の妻・文子氏、金秀グループの呉屋守将会長、かりゆしグループ平良朝敬CEO(最高経営責任者)、沖縄ハム総合食品の長濱徳松会長、そして前嘉手納町長の宮城篤実氏の6名が就いた。
記者会見には翁長雄志知事も参加。「日本の民主主義、アメリカの民主主義に辺野古は大きな足跡を残すのではないか。大変頼もしく、ありがたい気持ち。沖縄こそ平和の緩衝地帯として多くの方と連携していければ」と語った。「基金に関連して菅官房長官や安倍首相に訴えたいことは?」と聞くとこう答えた。「菅官房長官とは(5日に)ある意味でしっかりとお話をさせていただきました。総理とお会いできるのかは分かりませんが、(基金設立関連の)こういった報道はいろいろな形でされると思いますので、向こう(安倍政権)も情報収集をしっかりとされると思いますから、沖縄県民、あるいは沖縄県民の闘いを支持される方々の広がりをご理解していただけるのではないのかなと思っております」。
安倍政権が強行姿勢を続けるのなら、「反対世論を県内外に広げて対抗する」と宣言したに等しいだろう。地元記者はこう話す。
「辺野古基金は、東京都が尖閣基金を募った“逆バージョン”。お金を集める手法は同じだが、『沖縄こそ平和の緩衝地帯』(知事)と強調したように方向性はまったく逆。資金確保をしながら反対世論を盛り上げて“安倍政権包囲網”を作ろうする国民的運動ともいえます」
尖閣問題は東京都の募金を機に関心が高まったが、辺野古基金も世論喚起効果が期待できそうだ。
(横田一・ジャーナリスト、4月17日号)