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ろくでなし子さんの初公判、報告シンポジウム開催――すべての表現者に問う裁判

2015年5月12日7:14PM

シンポジウムでのろくでなし子さん(右)と柴田英里さん。(撮影/本誌取材班)

シンポジウムでのろくでなし子さん(右)と柴田英里さん。(撮影/本誌取材班)

「これから表現活動をしたいという人にも、私の逮捕・裁判は恐いという意識を持ってほしい」

こう語るのは漫画家、アーティストのろくでなし子さん。わいせつ電磁的記録等送信頒布などの罪に問われている裁判の初公判が4月15日、東京地裁(裁判長=田辺三保子)で開かれた。ろくでなし子さんは「女性器のデータ、女性器を元にしたわたしのアート作品は、『わいせつ』ではありません」として無罪を主張。公判では、検察がわいせつだとしている作品3点が深さ20センチメートルほどの木箱に入れられ、傍聴席からは確認できないようになっていた。

初公判翌日の16日には弊社主催のシンポジウム「ワイセツって何ですか?」が開催された。初公判で検察が冒頭陳述で「漫画家としての題材に窮して、自分の女性器そのものを3Dスキャナーでスキャンし、作品を作っていた」としたことについて、ろくでなし子さんは「題材に窮しない漫画家、芸術家はいるのか」と反論。現代美術作家、文筆家の柴田英里さんも「題材に窮しない芸術家は思考停止を疑うべきでは」と指摘した。

また、東京ウィメンズプラザがシンポジウムの開催を見送った件について、柴田さんは「東京ウィメンズプラザは石原都政で資料を買えないほど予算を削られた。だから、“話題”を集めるろくでなし子さんのシンポジウムを開催することを避けたのではないか。女性のための施設である東京ウィメンズプラザが女性を守れなくなるような構造にしてしまった何かがあるのかもしれない」と分析した。

今後の裁判に向けて、ろくでなし子さんは「海外の記者から『次は何を作るんですか』と言われることがあるが、まさに今、警察・検察・裁判官と壮大なアートを作っていると感じている」と語った。彼女は司法をもアート活動に取り込もうとしている。次回の公判は5月11日午前10時から。

(本誌取材班、4月24日号)

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