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成田空港でバリアチェック――障がい当事者の声を

2015年5月15日11:47AM

搭乗エリアで担当者から施設の案内を受ける参加者。(撮影/片岡伸行)

搭乗エリアで担当者から施設の案内を受ける参加者。(撮影/片岡伸行)

障がいをもつ利用当事者の声を反映してほしい――。成田国際空港(千葉県成田市)での本格的なLCC(格安航空会社)旅客ターミナルとなる第3ターミナル開業(4月8日)を前に、車椅子利用者らによるバリアフリーチェックがこのほど行なわれた。空港や駅などはバリアフリー新法などにより一定の基準が設けられているが、金をかけて利用しづらいものを作る事例が少なくないという。

空港を訪れたのは、航空バリアフリーの提言を行なっている活動家の大久保健一さん、NPO法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議の佐藤聡事務局長、今村登事務局次長、自立生活センターSTEPえどがわの土屋峰和さんら電動車椅子利用者と、DPIスタッフで視覚の不自由な田丸敬一朗さんの5人。成田国際空港(株)担当者の案内で第3ターミナルへのアクセス通路、出発ロビーや入出国審査場、搭乗エリアなどを2時間にわたりチェックした。

大久保さんらは関西国際空港や那覇空港、新石垣空港などでも同様のチェックを実施してきたが、成田の新ターミナルについては「サイン表示や誘導はわかりやすく画期的。全国の空港に波及してほしい」と高評価。一方で、「一般トイレのドアを広げて手動車椅子も入れるようにしてほしい」「車椅子で飛行機に搭乗するときに使うPBL(リフト車)を、関西空港のように一般搭乗客と同じルートを通り迅速に搭乗できる方法を航空会社と考えてほしい」「那覇空港のように補助犬用トイレの設置を」「視覚障がい者がトイレを利用しやすいよう音声によるガイドを」「サービス向上の研修の場に障がい当事者を参加させてほしい」などを要望。空港会社側は「改善できる点についてはできるだけ早く対応したい」と応じた。要望書は国土交通省航空局にも提出したが、建設前に当事者の声を反映させる仕組みが必要ではないか。

(片岡伸行・編集部、4月24日号)

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