辺野古新基地に沖縄県民3万5000人の怒り――「日本の政治の堕落だ」
2015年6月1日12:00PM
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設阻止を訴える「戦後70年 止めよう辺野古新基地建設! 沖縄県民大会」(主催・同実行委員会)が17日に那覇市で開かれ、主催者発表で3万5000人が参加した。
県民大会のあいさつで翁長雄志沖縄県知事は、「(私が)沖縄県の民意を伝えたにもかかわらず、安倍総理大臣は日米首脳会談の共同会見で『普天間基地の危険性を辺野古への移設で1日も早く除去する』と発言し、強い憤りを感じている」と、政府の姿勢を厳しく批判、「政府は普天間基地の危険性の除去がこの問題の原点だと言っておりますが、沖縄から言わせると、さらなる原点は普天間基地が戦後米軍に強制接収されたことにあります。(中略)自ら土地を奪っておきながら、普天間飛行場が老朽化したから、世界一危険だから、辺野古が唯一の解決策だ、沖縄が負担しろ、嫌なら沖縄が代替案を出せ。こんなことが許されるでしょうか」と、戦後70年間放置された沖縄の不条理な現状を訴えた。
そのうえで「私はこのことを『日本の政治の堕落だ』と言っているわけであります」と強い口調でこれまでの安倍政権の沖縄への対応に反論、あいさつの最後には、ウチナーグチ(方言)で、ウチナーンチュ、ウシエティナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけない)と声を張り上げ拳を突き上げた。翁長知事のあいさつが終了すると会場からの拍手はしばらく鳴り止まなかった。
このほか大会には、稲嶺進名護市長、看護動員された元学徒の中山きく氏、地元住民代表の松田藤子氏、辺野古基金の共同代表の佐藤優氏、鳥越俊太郎氏らが登壇。最後に「日米両政府は県民の民意に従い、米軍普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設・県内移設を断念するよう強く要求する」とした決議が採択された。
大会実行委員会は、採択された決議文を持って、25日に総理官邸や防衛省に要請行動を行なう。翁長知事は17日の県民大会を踏まえ、今月27日から訪米し、アメリカ政府関係者などに辺野古移設断念を訴える。
(本誌取材班、5月22日号)