翁長沖縄県知事、「新基地NO」を米に伝え帰国――「これからが新たな第一歩」
2015年6月23日10:59AM
辺野古移設反対を掲げ昨年11月に当選した翁長雄志沖縄県知事が5月27日から初訪米し、米国関係者に「新基地建設反対」の民意を直接訴えた。米政府、連邦議員、米国メディアや世論に対して移設阻止の明確な沖縄の声を届けた翁長知事は6月5日夜、初の訪米行動を終えて那覇空港に到着。空港には約100人の県民が訪米要請団を出迎えた。
最終便にもかかわらず多くの県民の出迎えを受けた翁長知事は、初の訪米要請行動を「首長、議員、経済界の全員が連邦議会を回って歩いた。こんなに密度の濃い要請行動は初めてだと思う。必ずワシントンにこの気持は伝わったと固く信じている。(中略)結論的には良い形にはならなかったが、ワシントンに行き、私たちがこれだけ話をさせてもらったというのは大変大きな成果だと思う」と振り返り総括した。最後に「これからが新たな第一歩になる。皆さま方の厚いご支援をよろしくお願い致します」と出迎えた県民へ呼びかけた。
訪米団長を務めた渡久地修県会議員は「政府関係者や議員、シンクタンクなど55カ所を訪れ、関係者90人と直接会い、辺野古に新基地は造れないと明確に伝えた」と訪米の成果を記者団に報告した。
知事に同行した稲嶺進名護市長は空港で記者団に「普天間飛行場の移設問題は国内問題だという人もいるが、海兵隊が使う基地は米国も当事者だ、と伝えたことは大きな成果。今後、市長権限、知事権限を市民、県民のために行使し、知事と力を合わせて必ず辺野古移設を止める」と決意を語った。
翁長知事が伝えた「新基地NO」の沖縄の民意。マスコミを通じ国内外の世論に直接訴えることで米国での関心も高まった。しかし、菅義偉官房長官は4日の記者会見で訪米中の翁長知事を牽制し「辺野古移設が唯一の解決策だ」と言い切った。沖縄に寄り添う政府の姿勢は未だ変わらないままだ。
(本誌取材班)