ネオニコ系農薬の規制等求め――住友化学株主総会で訴え
2015年7月16日11:36AM
花粉を運んで農業を支えるミツバチが大量死する原因となっていることから、ネオニコチノイド系農薬は、2013年にEU(欧州連合)で使用禁止されたのに続き、韓国、アメリカでも規制が始まった。他方日本では、農薬メーカー大手の住友化学(株)等による申請がなされ、多くの消費者の反対にもかかわらず、用途の拡大や食品への残留基準の大幅な緩和が今年5月に強行された。
グリーンピース・ジャパンは、同社の定時株主総会の6月23日、東京・中央区の会場前でネオニコ系農薬が世界中で規制されつつあり、同社がネオニコビジネスを続けることは事業リスクやブランドリスクにつながること等を株主に訴えた。
グリーンピースは、株主総会参加・議決権行使等を通して企業の社会的責任を追及するため、住友化学などの株式を最小単位で購入している。この日は株主として前述の問題や、「生物多様性と共存する生態系農業にどんな貢献ができるか」等を質問した。
住友化学の十倉雅和社長の回答は、化学物質での害虫駆除が前提とした上で「農薬は基本的に薬と同じで、使用方法を誤ったり、環境に出るとよくない。適正使用を推進している」というもの。
だが「適正使用」だけではミツバチ被害が防げないことは、ちょうど同日に発表された農林水産省のミツバチ被害の調査結果でも明らかだ。化学農薬に頼らず、代わりに農地や周辺の生物多様性を豊かにし、自然の力を利用する技術を駆使した有機や無農薬の農業(生態系農業)の可能性は、多くの研究や国内外の実践によってすでに確認されている。私たちの農業生産も早急なシフトが必要だ。
ただ今「ミツバチ・子ども保護法」を求める国会議員宛の署名を実施中。
URL http://www.greenpeace.org/japan/ja/Action/NoBees/
(関根彩子・グリーンピース・ジャパン 食と農業問題担当、7月3日号)