沖縄の学生ら“非戦”訴え――「シールズ琉球」設立
2015年9月4日5:18PM
「沖縄県という一つの行政単位だけでなく、広くアジアと交易したかつての琉球国、奄美や先島諸島を含む琉球弧の視座から社会に向けて行動し、声をあげていきたい」
こう語るのは8月15日に「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」を立ち上げたメンバーの一人、元山仁士郎さん(23歳、宜野湾市出身)だ。シールズ琉球は国会前で行動するシールズ(自由と民主主義のための学生緊急行動)の関連団体で、関西・東北に続いて四つ目となる。
15日の会見では「琉球・沖縄の万国津梁(編集部注=架け橋)の精神、命どぅ宝、非戦、日本国憲法を希求する運動を守り、そして自由と民主主義を実現させたい」との声明を発表した。設立日について元山さんは、「玉音放送で戦後が始まったとみなされがちだが、日本はしっかり反省できていない。その結果の一つが今の“沖縄”ではないか」、との問いを提示する。
昨年11月の沖縄県知事選挙を機に現地では、名護市辺野古での米軍新基地建設や高江ヘリパッド建設などを語り合う学生有志の団体「ゆんたくるー」が始動。多様な人々の交流を目的とする同団体を拠点に、シールズ琉球は政界などへの具体的な働きかけを目指すという。今後は特定の議員・政党は支持せず、「腹六分で協調することもあり得る」(元山さん)。
メンバーの玉城愛さん(20歳、名護市)は会見で「米軍基地をはじめとする社会問題への発言や主張、考え方の表明がタブー視される状況は沖縄にもある。この空気をどう崩し、変えていくかが課題」と言及。一方で名嘉一心さん(19歳、南風原町)は「安保法制に反対する若者が沖縄にもいることを知ってほしい」と訴えた。
シールズ琉球は8月22日に勉強会を開催。23日は全国若者一斉行動に呼応し、正午から米軍嘉手納基地近隣のカーニバルパーク・ミハマ(北谷町)で集会を開く。
(内原英聡・編集部、8月21日号)