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普天間移設“政治的停止”に――政府は“事務的対応”演出
2015年9月8日6:16PM
台風15号で沖縄県庁が閉庁する中、8月24日午前、辺野古新基地建設をめぐる政府と沖縄県の3回目の集中協議が沖縄県庁で開かれた。
第3回目の協議は、事務方レベルで具体的な内容について、これまでよりも踏み込んだ議論が行なわれた。政府側からは内閣官房で事務方トップの杉田和博官房副長官が初来県して協議に臨んだ。
政府側は政治的判断で辺野古への移設作業を一時停止させている現状を“事務的対応”に見せる演出に徹した。背景には、これまで過去2回の協議を終えて翁長雄志沖縄県知事が“政治的に中断・停止したことは大きな成果だ”とアピールしてきたことを牽制する意味合いがある。
杉田官房副長官は、東大法学部卒の超エリート警察庁官僚で1982年にはあの後藤田正晴官房長官のもとで内閣官房長官秘書官として実力を発揮した。2012年12月から第二次と三次安倍晋三内閣で官房副長官に就任した杉田氏は沖縄側にとっては手強い交渉相手だ。
首相官邸で危機管理に携わる事務方トップが地方出張するのは異例で、菅義偉官房長官の特命を受けた粘り強い政府のネゴシエーターが初めて単独で沖縄入りしたことを印象づけた。
協議を終えた安慶田光男副知事は県庁内で記者団の取材に応じ、菅官房長官が普天間基地の5年以内の運用停止について「沖縄県の協力が前提」と発言した点について質したが、政府側からは具体的な返答はなかったという。
政府と沖縄県は8月10日から9月9日までの間、移設関連工事を中断して計5回の協議を行なう。過去2回の協議では、いずれも双方の主張と認識が食い違い議論は平行線をたどったが、今回の協議でも双方の認識の隔たりは大きかった。
協議は冒頭の3分間のみ公開されたがそれ以外は非公開だった。
(本誌取材班、8月28日号)
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