「在日」の若者らが連帯して渋谷でイベント
2015年9月18日5:58PM
「在日」の若者が企画した、人権・平和・多様性がテーマのイベント「PEACE & FRIENDSHIP 2015 ―若者の声を聴け―」(コエキケ)が8月22日と23日、東京・代々木公園とその周辺で開かれた。2日間で約3000人が訪れ、23日に行なわれたパレードには約150人が参加した。
イベントの発起団体となった在日本大韓民国青年会の呼びかけで、在日韓国人だけでなく中国や韓国の留学生、日本人などの若者も企画に携わった。イベントには、韓国料理や中国の土産物の屋台が並んだほか、民族楽器の演奏や日中韓の女性らで構成されるアイドルのライブが催されるなど穏やかな雰囲気で進んだ。
在日韓国青年会会長の徐史晃さん(35歳)は、これまで民族や人種差別などを扇動するヘイト・スピーチに抗する取り組みをしてきたが、その中で「生身の自分を知らない人が多い。日本社会の中での横のつながりが弱い」と感じてきたという。今回のような形式でのイベントを企画したのは、「ヘイト・スピーチにまつわる『表現の自由』の問題は非常にわかりづらい。ポジティブな形で社会と連帯していく方策を探り、横のつながりを増やしたかった」(徐さん)からだ。
コエキケ実行委は、国籍や団体といった属性を乗り越え、多様な生き方を認め合う寛容な社会の実現を目指し、今後も継続的にイベントを開催していくという。
(渡部睦美・編集部、9月4日号)