難民申請者らが法務省デモ――仮放免者に在留資格を
2015年10月7日10:31AM
「収容やめろ!」「ビザを出せ!」――台風の影響による大雨にもかかわらず、難民申請中の外国人らの切実な声が9月9日、東京・霞が関の日比谷公園周辺に響いた。「仮放免者に在留資格を!」と銘打ったデモ(仮放免者の会主催)には約120人が参加し、難民行政を扱う法務省と同省入国管理局に向けてアピールした。
シリアなどからの難民流入がEU(欧州連合)諸国を揺るがせているが、この日本にも難民申請をしている人たちが大勢いる。2014年の難民申請件数は過去最多の5000人にのぼるが、認定者数はわずか11人と極端に少ない(法務省、15年3月発表)。同年、ドイツは1万1000人、英国は9500人、フランスは9000人と桁違いの認定者数だ。
不法滞在で収容されている人が一時的に解放されることを「仮放免」というが、一時的に解放されても国民健康保険に加入できず(病気の治療も満足にできず)、仕事(最低限の生活費を稼ぐこと)もできず、認められた居住地以外の都道府県に行くときは許可が必要などの無権利状態に置かれる。長期収容も含めて国連からは繰り返し是正を求める勧告を受けているが、日本政府は無視したままだ。
「日本に10年、20年いて、こちらでの生活や人間関係ができ、どうしても帰国できない理由のある仮放免者たちに、法務省は在留資格を与えるべきです」と仮放免者の会事務局長の大町剛さん。イラン、バングラデシュ、ネパール、中国、アフリカ諸国などから来た仮放免者とその家族に混じって、デモには東北大学や宮城大学などから十数人の学生たちも参加。雨の中で一緒にシュプレヒコールを上げていた。法務省前では、「日本に27年いる」というバングラデシュのハンナン・ミアさん(46歳)が代表して担当者に在留資格を求める「申入書」を手渡した。
(片岡伸行・編集部、9月18日号)