公正・平等な選挙改革求めプロジェクト始動
2015年10月8日10:12AM
9月8日、衆議院第二議員会館の会議室で、「選挙市民審議会」の設立準備会が行なわれた。公正な選挙制度や選挙運動の在り方を提言するのが同審議会の目的だ。
選挙に関しては膨大な論点はあるが、選挙市民審議会の問題意識は、少なくとも三つある。第一は、小選挙区制の弊害。
比例区で2割に満たない得票率の自民党が議席の6割を占め、秘密保護法や安保法案を強行採決するなど、民主主義の根幹を揺るがす事態となっているからだ。
第二は、国政選挙の小選挙区300万円、比例区で1人600万円の供託金を納めなければならない。新政党が10人立候補させる場合、6000万円もの供託金が必要で、低所得者の意向を尊重する政治勢力が国会に進出できない。
第三は、「べからず選挙」と言われる選挙運動への極端な制限。戸別訪問の禁止、ネット選挙の不完全性、時間の制限や文書図画配布の制限など禁止事項ばかりである。
同審議会は、これらの問題点を踏まえて改善を求める予定だ。準備会では片木淳・早稲田大学教授、三木由希子・情報公開クリアリングハウス理事長、只野雅人・一橋大学教授、の3氏を共同代表に選出した。10月26日に記者会見を開催し、正式に発足する。当面のサイトは「公正・平等な選挙改革にとりくむプロジェクト」。
(林克明・ジャーナリスト、9月18日号)