クラウドファンディングで――福島に太陽光パネルを
2015年11月16日1:15PM
「来年3月で震災から5年。私たちに今何ができるか考え、一つの答えがこのプロジェクトでした」
そう語るのは、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンのエネルギー担当、柏木愛さん。東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から前進する福島を応援するため、コミュニティショップに太陽光パネルを設置するクラウドファンディング(ネットを活用した少額資金調達)を、地元住民と共同で開始した。プロジェクト名は「ソラライズふくしま」。「太陽光など自然エネルギーを活用して環境と調和した暮らしを福島に広めたい」との願いが込められている。
太陽光パネルを設置するのは、福島県三春町にある野菜とパンの直売所「えすぺり」。二男三女の子どもを持つ経営者の大河原伸さん・多津子さん夫妻は、30年以上、有機農業に取り組んできたが、2011年3月、福島第一原発の事故の影響で、生産物が売れなくなるなど、大きな危機を迎える。「そんな厳しい時期に、グリーンピースの放射線検査に、積極的に協力してくれたのが、大河原さん夫妻だった」(柏木さん)。
夫妻はその後、測定した放射線の数値を公表して自分たちの生産物を販売する「壱から屋」を起業し、13年には「えすぺり」を開店。地元のコミュニティの拠点にもなっており、柏木さんは「今回の共同プロジェクトにぴったり」と考えた。
10キロワットの太陽光パネルの設置費用約350万円のうち、120万円をクラウドファンディングで集めるのが目標。支援金額に応じて「えすぺり」から届けられる“お礼”も楽しみの一つだ。「金銭援助はちょっと」という人が、口コミやSNSなどでプロジェクトを広げて応援する“0円サポーター”も募集中。左記のサイトで11月24日まで実施中!
URL https://motion-gallery.net/projects/solarise-fukushima
(山村清二・編集部、11月6日号)