都が市民との協議会でLGBTに関する意見交換
2016年2月19日5:31PM
「私には夢がある。日本でもLGBTの恋人たちが堂々と手をつないで歩くことが普通になることです」
「市民と行政の協議会 東京都における性的指向および性自認に関する課題解決のために」が1月27日、東京・新宿区の都議会議事堂で開かれた。同協議会は超党派の都議会議員がよびかけた。
冒頭の言葉は、ラテン音楽の歌手YOSHIHIRO広石さんの発言の一部だ。広石さんは小学校入学時にゲイと自覚した以降の苦悩について発言した。
協議会では各団体や個人が都側の担当課長と意見交換した。このうち、終末期医療の決定プロセスの質問があった。
厚労省のガイドラインでは、意思決定の代行者としての「家族」は「法的な意味での親族関係だけでなく、広い範囲の人」を指す。そのため、「同性パートナーを成年後見人に指定した場合、家族よりも優先されるのか?」との質問だ。
都側は「成年後見人は手術や治療方針まで及んでいない」と説明、「親族とのコミュニケーションの中で、キーパーソンを決めていくしかない」と述べた。説明にはなかったが、「医療に関する意思表示書」をつくり、パートナーにあらかじめ意思を託すことはできる。
多摩市男女共同参画条例の策定に関わった浅倉むつ子・早稲田大教授は都条例に苦情処理システムがないと指摘した。
(渋井哲也・ジャーナリスト、2月5日号)