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不登校支援の教育機会法案、4党共同で衆院提出――「子ども追い詰める」と批判も

2016年6月1日10:04AM

不登校関係者らが法案の白紙撤回を訴えた。(4月15日、衆議院第一議員会館。撮影/池添徳明)

不登校関係者らが法案の白紙撤回を訴えた。(4月15日、衆議院第一議員会館。撮影/池添徳明)

不登校の子どもや夜間中学での学びを支援し教育機会を確保するための法案について、全会派一致での成立を目指し準備を進めてきた超党派の国会議員連盟メンバーのうち、自民、公明、民進、おおさか維新の4党が5月10日、衆議院に法案を共同提出した。

超党派議連に参加する共産、社民の両党は「まだ十分な理解が得られていない。さらに時間をかけて議論を続けてほしい」と主張したため、4党だけでの提出となった。慎重派の声を付帯決議に盛り込む方向で調整している。

当初の法案では、フリースクールや家庭での学習内容を保護者が作成し、「個別学習計画」として教育委員会に提出するとされていたが全文削除。「子どもや親が追い詰められる」との批判が当事者の間に広がったからだ。学校以外での学習を義務教育の制度内に位置付ける規定も、「学校に行かないことを助長する」といった自民党内の声を受けて見送られた。

提出された法案は、国や地方自治体は適応指導教室などの教育施設の整備に努め、不登校の子どもの学習活動や心身の状況を継続的に把握し、学校以外の学習活動を支援するために必要な措置を講ずるとしている。学校を休む「休養の必要性」も明記された。

法案を積極的に推進してきた東京シューレ理事長の奥地圭子さんは、「法案では学校以外の場所での学習活動や休息の必要性が認められている。現状を変える一歩になり得る」と期待する。

一方、不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会ネットワーク代表の下村小夜子さんは、「学校復帰を目指し、学校教育を前提とする法案は子どもを精神的に追い詰める」と批判的だ。法案に懸念を訴えてきた不登校当事者の団体や大学教授らは4月、都内で記者会見し、子どもたちの多様な学びが保障されないとして法案の白紙撤回を強く求めていた。

(池添徳明・ジャーナリスト、5月20日号)

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