辺野古埋め立てに加担しない――土砂採取地の闘い冊子に
2016年6月24日12:06PM
沖縄県名護市の辺野古新基地建設の埋め立てに反対する「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」が、各地の土砂採取予定地の闘いを冊子にまとめた。タイトルは「どの故郷にも戦争に使う土砂は一粒もない」。
沖縄防衛局によると、埋め立て用土砂の総量約2100万立方メートルの大半は鹿児島、熊本、長崎、福岡、山口、香川各県の計13カ所の採石場から搬出する。この計画に対し「環瀬戸内海会議」と「自然と文化を守る奄美会議」が中心になって昨年5月、全国連絡協議会を設立。土砂採取地を抱える他の地区でも搬出反対の組織が次々と生まれ、沖縄からは「本部町島ぐるみ会議」などが加わった。全国協議会への参加はこれまでに18団体を数え、本土と沖縄のすべての採取地がつながった。冊子はこの1年の10地区の取り組みを紹介する。
熊本県天草市の採石場では、「あまくさ九条の会」の呼びかけで「辺野古土砂搬出反対熊本県連絡協議会」が発足。採石場が以前、高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地になったこともあって運動が広がり、採石会社に搬出反対を申し入れるなどの行動を続けている。
山口県では瀬戸内海の2島が採取地。上関原発建設に反対する市民らが「原発も新基地建設も民意を無視する構造は同じ」と訴え、「『辺野古に土砂を送らせない!』山口のこえ」を結成。2島の砕石会社が北九州市の採取地の3社と同じ系列であることを突き止めた。
土砂採取地ではないが三重県津市では、鉄筋コンクリート製の巨大な箱に土砂などを詰めて海に沈めるケーソンを製造する工場があることがわかり、「辺野古のケーソンをつくらせない三重県民の会」ができた。「何も知らされないまま新基地建設に加担させられる」として、県民や工場労働者に広く知らせるビラ配りなどの運動を展開している。
(平野次郎・フリーライター、6月10日号)