高校生の政治参加考えるシンポ――「中立とは無関心」
2016年6月27日11:01AM
選挙権年齢を18歳以上に引き下げた改正公職選挙法が今月19日に施行されるのを前に、文部科学省が高校生の校外での政治活動を認める一方、学校側が生徒の「政治的信条を問わないこと」などを条件に事前届け出制を容認した(今年1月に同省が出した教育現場向けの「Q&A」)点などを考えるシンポジウムが1日、東京・千代田区の弁護士会館であった。
現役高校生や教員、司法関係者ら約150人が参加。届け出制を認めるのは「思想良心の自由」や「政治活動参加の自由」を侵害し、学ぶ機会を奪うのではないか、などの発言が続いた。
シンポは今年の第59回人権擁護大会のプレ企画として東京弁護士会が企画した。問題提起の発言に立った仲里歌織弁護士は、高校生の政治活動を全面禁止していた1969年通知を廃止して、文科省が2015年10月に新たに出した通知は(1)学内の政治活動を禁止し(2)学外の場合も届け出制導入を認めるなど「政治活動や思想良心の自由を侵害する恐れが極めて強い」と指摘した。
現役高校生4人もマイクを取って発言。「学校では『政治的中立性』が強調される。まるで、他人事でいろ-と言われている気がする。僕は無関心ではいたくない。学校の先生たちも自分の言葉で自分の意見を語ってほしい。勉強したい」(私立高2男子)、「新通知やQ&Aは、当事者である私たち高校生の意見を聞かないまま出した。おかしいと思う」(同高3女子)などと発言し、参加者から大きな拍手を浴びた。
(小宮純一・ジャーナリスト、6月17日号)