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自民党がホームページで――教員への“密告”を呼びかけ
2016年8月3日9:57AM
自民党が党のHPで学校教育における政治的中立性についての実態調査」と称し、学校の教職員に対する事実上の〝密告〟を呼びかけた。
これは、HPの「募集・キャンペーン」というコーナーに7月18日まで掲示。「教育現場の中には『教育の政治的中立はありえない』と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる」として、「偏向した教育が行われることで、生徒の多面的多角的な視点を失わせてしまう恐れが」あると強調している。さらに、「政治的中立を逸脱するような不適切な事例を具体的(いつ、どこで、だれが、何を、どのように)に記入してください」として、誰でも入力できるようになっていた。
また、「事例」にしていると見られる行為に、「高校等で行われる模擬投票等で意図的に政治色の強い偏向教育」を指摘。実際、山口県議会では2015年7月、日本会議地方議員連盟所属の自民党県議が県内高校の「現代社会」の授業で戦争法案に関し、生徒が意見を発表して、賛否の「模擬投票」を実施したことを一般質問で追及し、県教育長の「配慮が不十分だった」との答弁を引き出している。
こうしたことが許されれば、世論が分かれている問題を教室で取り上げること自体が危険視されかねず、現場の教育の自由に対する不当な干渉だ。教員を萎縮させ、生徒が政治問題を考える機会を奪うことにつながるのは疑いない。
さらに『産経新聞』(電子版)5月10日付によれば、自民党は「公立高校の教職員の政治活動を禁じる教育公務員特例法を改正し、罰則規定を設ける方針を固めた。早ければ今秋の臨時国会に改正案を提出する」とされる。
このように自民党は18歳以下の選挙権年齢引き下げに伴い、〝密告〟も含む教育現場への介入姿勢を強化。狙いが改憲の国民投票に向け、学校での意に沿わない動きを封じ込めることにあるのは自明だ。
(成澤宗男・編集部、7月22日号)
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