「地域交流行事」の一環として5年前から実施――公立中学生が米軍「訓練」に参加
2016年8月17日10:55AM
東京都武蔵村山市の公立中学校の生徒がこのほど、横田基地の米空軍が指導する「ミニ・ブートキャンプ」と称した新兵訓練の一環の行事に参加していたことが判明し、問題になっている。
この行事に参加したのは、市立第五中学校の3年の生徒33人。横田基地の日本語のHPによると、米軍第374医療支援群のメンバーが7月2日、米兵の新兵訓練で実施した「障害物競走コース」に参加した。
さらにHPによると「生徒たちに(軍隊の)整列の動作、マーチング、障害物コースの進み方等を教えた」とされ、軍事訓練そのものである実態が示されている。そのほか、「生徒たちと交流できたことは有意義な経験だった」とする軍側の責任者のコメントが引用されるとともに、「生徒達はアメリカ空軍の一部を垣間見、知る機会を得た」と結んでいる。軍隊式の敬礼をしたり、顔に迷彩色を塗り、地面をほふく前進訓練する生徒の写真も掲載されている。
武蔵村山市教育委員会によると、今回の参加は同中学校の主催で、「地域交流行事」参加の一環とされ、こうした「交流」は、5年前から実施しているという。また、今回の参加について、「内容自体は特に問題はない」と語っている。
20日には、東京都教組北多摩西支部の組合員や共産党の都議、武蔵村山市議らが同教育委員会と会見。席上、教育委員会側は、「米軍の軍事訓練に生徒を参加させるのは問題だ」との指摘に対し、「あくまで(米兵との)交流を目的にした内容」だとして、軍事訓練という認識は持っていないと述べた。
だが横田基地は、アフガニスタン・イラク両戦争で米本土と戦場との輸送中継機能を発揮した。さらに同基地から医療や整備関連の兵士も派兵されており、こうした侵略拠点の基地との「交流」が「教育」と何の関係があるのか、第五中学校側は考えるべきだ。
(成澤宗男・編集部、7月29日号)