不登校の支援法案臨時国会へ――馳文科相、「必ず成立」
2016年8月27日5:50PM
不登校の子どもや夜間中学での学びを支援する法案(教育機会確保法案)について、馳浩文部科学相は7月17日、都内で開かれた同法案の成立推進を求める市民団体の集会で、「この法案は9月以降の臨時国会で必ず成立すると期待している」と挨拶した。
馳文科相はさらに、「先の通常国会では自民、民進、公明、維新の4党合意の上で国会に提出されたが、参議院で民進党が突然反対して継続の案件となった。これ以上話すとハレーションを起こすので言わないが、政局で法案が左右されたのは残念。不登校の子どもたちを人質に取るようなやり方は断じて許せない」と指摘した。
その上で、「法案に反対した共産党や社民党の皆さんともコミュニケーションしながら積み上げてきている。反対している会派や政党が悪い奴らだとは思わないでほしい」と述べ、法案支持者が多数参加する会場の笑いを誘った。
今後について馳文科相は、「次の臨時国会では法案成立の石を一段目から積み上げる作業をしなければいけない。法案は第13条がすべて。ここをきちんと対応するのが文科省としても必要だ。わが国の法律で初めて、(不登校の子どもの)欠席を容認するような表現を取った。法案成立を念頭に入れながら、学習支援や経済的支援のありかたの検討に入っている。来年度の概算要求もそれとなく検討している」と踏み込み、予算措置にも自信を見せた。
教育機会確保法案は、超党派の国会議員連盟が全会派一致での成立を目指していたが、共産、社民の両党が慎重議論を求めたため、自民、公明、民進、おおさか維新の4党だけで5月10日、衆議院に法案を共同提出した。
しかし国会の会期末を控えて、民進党から「審議する時間が足りない」「全会派一致で成立させるべきでは」との声が上がり、継続審議となっていた。
(池添徳明・ジャーナリスト、8月5日号)