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24条守るキャンペーン開始──LGBTの改憲利用注意
2016年9月30日7:54PM
憲法24条改悪反対!――先の参院選で改憲勢力が3分の2以上の議席を獲得したことから、特に個人の尊厳と両性の平等を謳う24条の改悪を危惧する市民らが「24条変えさせないキャンペーン」を立ち上げ、9月2日に東京・上智大学でキックオフシンポジウムを開催。約180人が参加した。
自民党改憲草案の24条では「家族」は「助け合わなければならない」という義務規定を新設。「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」する現行憲法に対し、自民党草案では「両性の合意に基づいて」と「のみ」をとっている。
木村草太・首都大学東京教授と作家の北原みのり氏の対談で、北原氏が自民党の改憲草案をどう思うか問うと、木村氏は「言及する価値がない。問題外」と答え「今は親の同意がなくても婚姻届は受理されることが当たり前なので24条のありがたみが見えにくくなっている」と話した。北原氏は「私も以前は当たり前のことが書いてあると思ったが24条のない世界では女の人生は拘束されていた。それに『両性の合意のみに基づいて』の『のみ』があるからこそ結婚しないでいられるとなると、24条は結婚している人だけではなく結婚しない私にも関係がある」などと条文の意義を語った。
藤田裕喜・レインボー・アクション代表理事が「稲田朋美さんがレインボーパレードに登場したり、自民党がLGBT(性的少数者)を利用しようとしている。同性婚を実現するために改憲が必要と言い出したら現行憲法の終わりの始まり。これは壮大な罠であり、24条は変えさせてはいけない」と呼び掛けたほか、DV被害や虐待に取り組む団体やひとり親家庭などの立場からも24条の存在価値が語られた。これを受け木村氏は「自民党草案の批判にとどまらず、何が女性の権利や性的少数者のためになるかという議論が盛り上がっていけばいいと思う」と述べた。
同キャンペーンは今後も賛同人を募り、活動を展開する予定だ。
(宮本有紀・編集部、9月9日号)
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