考えるタネがここにある

週刊金曜日オンライン

  • YouTube
  • Twitter
  • Facebook

【タグ】

スマートメーター設置を強制――関西電力の対応に疑義

2016年10月6日10:11AM

関西電力が設置しているスマートメーター。(提供/アナログメーターの存続を望む会)

関西電力が設置しているスマートメーター。(提供/アナログメーターの存続を望む会)

政府は2020年代早期に電気検針器をスマートメーターに交換する方針だが、電磁波過敏症患者はこのメーターから発生する電磁波で体調を崩すため、電力会社に相談し、従来型のアナログメーターを設置してもらうことが多い。

ところが関西電力は、電磁波過敏症患者がアナログメーターの設置を依頼しても断り、「スマートメーターに交換しないなら、電気の供給を止める」という、脅迫的な対応をとっている。

市民団体「アナログメーターの存続を望む会」代表の東麻衣子さんによると、問題が起きているのは兵庫県、京都府など4府県で、奈良県などでは患者の要望を受けてアナログメーターに交換した事例もある。

同会と過敏症問題に取り組む「化学物質過敏症、電磁波過敏症倶楽部」(代表・金城学さん)は、8月16日、関西電力に公開質問状を送り、脅迫的な手法の中止と、永続的にアナログメーターを提供・設置するよう求めた。

これに対して、関西電力は、8月29日、脅迫的手法の中止には言及せず、問合せがあれば「ご理解いただけるよう努め」、アナログメーターは「将来的に製造中止となり、調達ができなくなる」ので、永続的に提供・設置する予定はない、と回答。

質問状を送った金城さんは「同社は患者のことをまったく考えていない。アナログメーターが将来、製造中止になるというが、まだ在庫があるなら設置すべき」と訴える。

関西電力の対応は、個人の尊重を定めた憲法13条や、「健康で文化的な最低限の生活」を規定した憲法25条、障害者への合理的配慮を定めた「障害者権利条約」に反するといえるだろう。

関西電力に取材したところ、「お客様との個別の協議内容は回答できないが、実際に給電停止した事実はない」ということだ。

(加藤やすこ・環境ジャーナリスト、9月23日号)

【タグ】

●この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • Hatena
  • google+
  • Line

電子版をアプリで読む

  • Download on the App Store
  • Google Playで手に入れよう

金曜日ちゃんねる

おすすめ書籍

書影

増補版 ひとめでわかる のんではいけない薬大事典

浜 六郎

発売日:2024/05/17

定価:2500円+税

書影

エシカルに暮らすための12条 地球市民として生きる知恵

古沢広祐(ふるさわ・こうゆう)

発売日:2019/07/29

上へ