「独自の文化圏」誕生させた東アジアの交流イベント――東京に“謎の自治区”出現
2016年10月12日11:59AM
“世界の大バカたちが東京に集結し、謎の自治区を形成する”イベント「NO LIMIT 東京自治区」が、9月11~17日、都内各地のスペースなどで開催された。高円寺の素人の乱をはじめ、新宿のIrregular Rhythm Asylum(IRA)、国立の「かけこみ亭」、下北沢の気流舎など、カウンターカルチャーの現場となっているスペースの関係者が主催。
中心メンバーの1人で高円寺のリサイクルショップ「素人の乱5号店」の松本哉さんが背景を説明する。
「東アジアや東南アジアの人と徐々に仲良くなってきて、謎の地下文化に関わる人、アーティストやバンドの人たちと知り合うようになった。国内にも海外にもおもしろい場所が増え、それらに出入りする人々は、国は違っても、やっていることは同じ。そのうち、アンダーグラウンドで色々やっている東アジア圏のマヌケなヤツの交流を広めたいと考えるようになった。どこの政府もろくでもないが、国内で政府に反対する運動だけやっていても、なかなか政府は変わらない。それどころか、各国政府間の『喧嘩』に巻き込まれたりもしがちなので、それだったらもう、俺たちで勝手な文化圏・独自の世界をつくって対抗するしかない」
9月3~9日には、千代田区三崎町のギャラリー「路地と人」でプレイベント「《惑星》Lorna Wen・Eddie Choo写真展」(Lornaさんは台湾、Eddieさんはマレーシアから参加)を開催。
10日には「東京自治区出現前夜祭」が高円寺で催され、のべ百数十人が参加。「北京のいちばんヤバいインスト・バンド」White+のライブ演奏も。
14日には、やはり高円寺で乱入企画「パレスチナ・カフェ」、でパレスチナに関する上映やトークなどが展開された。
最終17日には、“マヌケたち”の一大集結を記念し、“鎖国反対”を掲げて新宿をパレードした。
連日さまざまなイベントが催され多くの人を集めたが、これは「NO LIMIT(制限なし)」であり、大きな「東京自治区」「東アジア解放区」の始まりにすぎない。
(小林蓮実・フリーライター、9月30日号)