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山崎博昭さん命日に講演会――運動を継続させるには

2016年10月27日1:51PM

山崎博昭さんの命日に東京・弁天橋で行なわれた献花と黙祷。(撮影/赤岩友香)

山崎博昭さんの命日に東京・弁天橋で行なわれた献花と黙祷。(撮影/赤岩友香)

ベトナム戦争に反対する第1次羽田闘争で亡くなった山崎博昭さん。彼を追悼する「10・8山崎博昭プロジェクト」が山崎さんの命日である10月8日、講演会「羽田闘争とベトナム反戦から考える この国家どうする」を東京・四谷で開催した。

まず、翻訳家で元ベ平連の高橋武智さんが「ジャテック活動を今振り返って」というタイトルで講演した。ベトナム反戦運動において、脱走兵の支援から米軍基地内での米兵自身が行なう米軍解体運動へ移行していった過程を解説。その運動が「決定的に米国を敗北に追い込んだ要素だ」と語った。今年5月に広島を訪問したオバマ大統領についても、核兵器が持ち込まれた疑惑のあった岩国で日米同盟をより強固にするという趣旨の演説をしたあとに広島へ向かったことの欺瞞を追及した。

次に「さらにひどい国家 どうする?」というタイトルで講演したのは作家の中山千夏さん。自身が社会運動にかかわるようになった経緯を振り返り、沖縄米軍基地問題をはじめ、市民運動はまず「当事者が主導権を持つこと」が大切だと説いた。運動が大きくなると、必ず分断させようとする動きが出てくる。中山さんは、その一つが運動をする人を揶揄する「プロ市民」という言葉だと指摘。運動を広く継続させていくためには「団体の力には頼らず、個人が関心を持つことについて誘い合って解決していくこと。そのときどきで離散していい」とした。

また、同日は講演会に先立ち、山崎さんが命を落とした弁天橋近くで献花と黙祷が行なわれた

山崎さんが亡くなってから50年となる2017年には、ベトナム・ホーチミン市にある「戦争証跡博物館」で展覧会が開かれる予定だ。実現のための費用をクラウドファンディングで集めている。
詳細は URL readyfor.jp/projects/AntiVietnamWarMovementまで。

(赤岩友香・編集部、10月14日号)

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