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寺島しのぶ主演で映画『小林多喜二の母』

2016年10月28日11:27AM

映画にかける思いを語る寺島しのぶさんと山田火砂子監督(左から2人目)ら。(写真/片岡伸行)

映画にかける思いを語る寺島しのぶさんと山田火砂子監督(左から2人目)ら。(写真/片岡伸行)

治安維持法下、特高警察の拷問で虐殺された『蟹工船』作者・小林多喜二(1933年没)の母・セキを描く映画『母 小林多喜二の母の物語』の製作発表がこのほど東京都内で開かれ、主演の寺島しのぶさんらが作品にかける思いを語った。

三浦綾子原作の同名小説の初の映画化で、監督は国内最高齢の女性監督・山田火砂子さん(84歳)。満蒙開拓団をテーマにした映画『望郷の鐘』(2014年)に続き、「反戦平和」のメッセージを届ける。

会見で山田監督は「戦前のように、母から子どもを奪うような時代にならないことを願ってこの映画を作る」とし、「三浦綾子さんの住んでいた家を(映画で)使わせていただくことになった。亡くなった三浦夫妻も喜んでくれると思う。母の無私の愛を描きたい」などと語った。子育て中の寺島さんは「山田監督の人間性に惚れて、今の自分がやらなければならない役だと思った。理不尽な時代に生き、子どもにいっぱいの愛を捧げたセキの20代から80代までを演ずる役作りは難しいが、全身全霊で臨みたい」と意欲を見せた。多喜二役の塩谷瞬さん、多喜二の父・末松役の渡辺いっけいさんらも、作品への意気込みを熱く語った。

映画は多喜二の暮らした北海道小樽や秋田でのロケからスタート。12月に完成し、来年1月中旬以降公開の予定。現代ぷろだくしょん(TEL 03・5332・3991)。

(片岡伸行・編集部、10月14日号)

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