調布駅前再開発で撤去の樹木「残して」
2016年11月4日12:16PM
東京・京王線調布駅の駅前再開発事業にともない調布市は6月、推定樹齢100年のイチョウなど、駅南側を中心とした樹木100本を撤去する方針を示した。これに対して住民が会を結成して樹木を残すよう訴えている。会が調布駅前で週末に行なっている署名活動では、これまでに約9000筆以上が集まった。
駅前再開発事業は、京王線の立体化事業で調布駅が地下化されたことを受けたもので、駅前ロータリー拡大や地下駐輪場整備などを行なう。この内、地下駐輪場は2019年秋に開催されるラグビーW杯日本大会の会場として市内の味の素スタジアムが選ばれたことなどを踏まえ、同年3月までに完成させる計画だ。
ところが駅南口広場と、地下駐輪場予定地で9月に閉鎖された旧駅前公園にはそれぞれ約50本の樹木が植えられており、この内広場の9本はすでに伐採。多摩川に移植される旧公園の8本を除いて、原則としてすべて撤去される運命にある。
また、市は他の移植可能な樹木についても費用が概算で7000万円程度かかることなどを理由に、保全に難色を示す。住民で作る「調布駅前南口広場 樹木を守る会」のメンバーは「再開発は賛成だが、市民の財産として樹木の保全を前提にしてほしい」と話す。会では、保全には市長の決断が必要だとして市長への面談を求めている。
(斉藤円華・ジャーナリスト、10月21日号)