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規制委員会は中央構造線断層の危険性を無視――伊方原発「妥当」閣議決定

2016年11月22日10:41AM

伊方原発直近にひずみが溜まっていることを示す資料。今年9月の日本地質学会で発表された。(提供/早坂康隆)

伊方原発直近にひずみが溜まっていることを示す資料。今年9月の日本地質学会で発表された。(提供/早坂康隆)

四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)直近を通る中央構造線が活断層である危険性が高い問題(本誌10月21日号参照)で、安倍晋三内閣は11月8日、〈四国電力が(略)調査を実施し(略)適合性審査において、原子力規制委員会はこれを妥当であると判断〉との答弁書を閣議決定した。早坂康隆・広島大学准教授(岩石学・構造地質学)は「『地体構造境界としての中央構造線』が佐田岬半島北岸に沿って伊方原発の沖、およそ600メートルを通っていることは明らか。にもかかわらず、この大断層に着目した構造探査が全く実施されていない。このような重大な不備を不問に付すなら原子力規制委員会の審査体制そのものの質を疑わざるをえない」と批判している。

福島みずほ参議院議員の質問主意書への答弁書で、内容には知識不足やはぐらかしが多くみられる。(1)質問主意書では中央構造線の位置を聞いているのに、「中央構造線活断層帯」の位置について答弁、(2)中央構造線本体に沿っては幅1キロメートルを超えるダメージゾーンが形成されていることは学界の常識であるにもかかわらず、〈「ダメージゾーン」が何を指すのか明らかではなく、お答えすることは困難〉と答弁している。

早坂氏は「京都大学防災研究所の西村卓也准教授はGPS(衛星利用測位システム)データの解析からひずみがたまりやすい場所として『四国の中央構造線断層帯沿い』『山陰の島根県東部から鳥取県にかけて』などを挙げ、西村氏の予想通り10月21日には鳥取県中部でM6・6(暫定値)の地震が発生した。伊予灘は長い間大きな地殻内地震の発生がなく、普段の地震活動も大変少ないため大きなひずみが蓄積されていると考えるのが自然」と警鐘を鳴らしている。

(伊田浩之・編集部、11月11日号)

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