「共謀罪」で処罰逃れやスパイの“密告”も
2017年2月15日1:08PM
通常国会初日の1月20日、犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」法案に反対する集会が参議院議員会館で行なわれ、350人以上の参加者で超満員となった。
共産党・民進党・社民党などの国会議員十数人も参加し、法案の危険性を訴え、法案阻止の決意を語った。
安倍内閣はかつて三度廃案となった「共謀罪」法案を一部手直しし、「テロ等組織犯罪準備罪」法案として今国会に提出する意向だ。切迫した状況にある。
海渡雄一弁護士は、政府が「普通(一般)の人が対象になることはない」と言うことに対し、「ある団体が犯罪を行なったとされれば、もともと適用外でも、組織犯罪集団ということにされる。一種のトートロジー(同義反復)だ」と語った。さらに、1925年に制定された治安維持法と現在の「共謀罪」法案の共通性を指摘し、「体制に抵抗する団体を一網打尽にできるという点で、同じような効果をもたらす可能性が高い」と訴えた。
元法務大臣の平岡秀夫氏は、「もし『共謀罪』法ができれば、いったん犯罪を行なおうと(複数人で)合意したら、後から『やめよう』となっても、処罰されることになる。処罰を逃れるには密告するしかない」と語った。また、「スパイが送り込まれて犯罪を煽り立て、『やろう』と決めた後でスパイが“密告”するというケースも想定できる」とした。
(星徹・ルポライター、2月3日号)