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集会参加の学生らに公安が集団暴行、東京地裁が調査嘱託
2017年2月21日1:31PM
東京地裁は1月20日、東京都に対し、昨年9月に集団で学生らに暴行を加えたとして民事事件で訴えられている警視庁公安一課の警察官4人について、原告側が提出した顔写真に基づいて名前を特定するよう、調査を嘱託した。
昨年11月に特別公務員暴行陵虐罪等で東京地検にも告訴した学生側の主張によると、同年9月1日と2日、東京都中央区内の会館で集会を開催した際、会場に入場しようとした学生らに対し、警視庁公安一課の星隆夫警視ら十数人の警察官が暴行を加えたとしている。
このうち、タクシーで会館に乗り付けたA君の証言では、入場前に会館周辺にいた公安のうち5人によって突然背後から羽交い締めにされ、着用していた帽子やサングラス等を無理矢理奪われたほか、毛髪を引っ張るなどされた。
また、会館近くの路上でマイクロバスから降車したB君によれば、1人の公安から首や右手を強く掴まれた後、後頭部を殴られたという。その他、同時刻に会館の外にいた学生らも、複数の公安から「顔面や胸部に手拳で打撲傷を負わされ、衣類を引き裂かれた」(C君)、「胸ぐらを掴まれ、足を蹴られて転倒させられた」(D君)等の暴行を受けたと証言している。
このため学生ら5人が、ビデオや映像で顔が特定されている星警視ら暴行現場の警視庁公安のうち、名前が判明している11人に加え、氏名不詳の4人の計15人を告訴。さらに都も被告に加えた損害賠償請求訴訟で、東京地裁が訴状を本人に届けるため、都(警視庁)にこの4人の氏名と住所を明かすよう調査を嘱託したもの。裁判所が公安事件で、警察にこの種の調査嘱託を行なうのは異例という。
問題は、東京地検が今回の告訴を受理し、立件に動くかどうかだ。学生側の弁護を担当している鈴木達夫弁護士は、「権力犯罪に甘い地検に立件を促す世論の力が必要だ」と語っている。
(成澤宗男・編集部、2月10日号)
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