【「香害」最前線】 タバコ
国内販売1000億本割れの見通し
岡田幹治|2017年4月21日4:11PM
JTは2017年2月、今年の国内タバコ販売が前年より9.6%減って960億本になる見通しだと発表した。民営化された1985年には3000億本を超えていたが、健康志向や増税によるタバコ離れが進んで、ついに1000億本を割り込むことになった。
JTの経営も低迷し、2016年12月期の連結決算では売上高が4.9%減の2兆1432億円、最終利益は13.2%減の4216億円だった。
追い込まれたタバコ会社は新型タバコに活路を見出そうとしているが、この面でJTはPMJに大きく後れをとっている。PMJが2016年4月から全国展開しているのに対し、JTが全国での販売を始めるのは来年上半期になる見通しだ。
このためJTは監督官庁の財務省と手を携えて、厚生労働省が検討中の「受動喫煙防止対策」の骨抜きをめざすなど、タバコ離れを止めるための活動を活発化させている。
(2017年4月21日号掲載)