♪おれ~俺 俺~詐欺~(小室等)
2017年4月25日6:20PM
三月二六日、埼玉で「第12回ゆめ風であいましょう 永六輔さんを偲び『永縁』を紡ぐお話と音楽の集い」(共催/認定NPO法人ゆめ風基金・わらじの会・カタログハウスの学校)が催された。
永さんは、自然災害で被災した障害者を支援するNPO法人「ゆめ風基金」の呼びかけ人代表だった。同基金の全国ネットワークに参加する春日部市の団体「わらじの会」が今回の実動部隊。出演は、オオタスセリ、竹田裕美子、坂田明、中山千夏、李政美、こむろゆい、そして僕。
オオタスセリさんは、
♪おれ~俺 俺~詐欺~(サッカー応援歌)、
♪大飯の原発フル稼働 おじいさんの利権~(大きな古時計)、
♪じれったいじれったい 戦争するとか 派遣とかなら じれったいじれったい 駆けつけ警護も行きたくないわ~ 突然じゃない、みんなそうだわ 私たち、除隊Α(少女Α・中森明菜)、
♪風邪をひいたチキン、土の下に埋めて 渡り鳥が運ぶ 鳥の~インフルエンザ~(地上の星・中島みゆき)、
♪も~りと~もがくえん~払い下げ~ ハッハ~ハ 安倍がなく~ ハッハ~ハ 忖度だ~ ハッハ~(森へ行きましょう)
と、矢継ぎ早の替え歌であっという間に笑いと共感をつかみ取り、喉不調のハスキーが功を奏し、「ストーカーと呼ばないで」がGOOD!
昔ジャズピアニストが配偶者だった千夏さんとジャズ・サックス奏者の坂田明氏。波長は同期して、むやみな誉めそやし無縁の永さん話に花が咲いた後、千夏さんは小室と「老人と海」を歌う。久しぶりの芸能シーンは水を得た魚。
ルーツが済州島、在日二世のヂョンミさんは、東京・葛飾も私の故郷と「京成線」を歌った後、朝鮮民謡「珍道アリラン」と「密陽アリラン」をメドレーで。ヂョンミさんに流れる血が僕らの心を打つ。民謡は強い。
坂田氏は、顕微鏡の中のミジンコが「私を見て!」と言っているとオリジナル曲「Look At Me」の後、広島県呉出身の坂田氏、なんと呉の民謡「音戸の舟唄」をサックスとアカペラで弾き語りならぬ吹き語り。櫓をこぐ仕草を入れながらの歌に舞台が荒波に漕ぎ出る船と化し、ぐいっ、ぐいっと動きはじめた錯覚を覚える名唱。少年期、伝馬船を漕いでいた坂田明に流れる血も、ヂョンミさん同様、僕らの心を打つものであった。
核兵器禁止条約に日本が参加しないとか、大阪高裁が高浜原発再稼働を認めるとか、外ではいやな風が吹いているが、会場内には心地よい風が吹いていた。
夕方、スタッフたちは被災地障害者支援の活動に戻っていった。
(こむろ ひとし・シンガーソングライター、4月7日号)