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前代未聞の安倍首相、現職総理として5月1日に「改憲宣言」していた
2017年5月24日1:19PM
「いよいよ機は熟してきた」「理想の憲法の具体的な姿を自信を持って国民に示す時だ」「新しい憲法を作っていくこと……を、自民党総裁としてお誓い申し上げる」
改憲派の国会議員で構成する新憲法制定議員同盟(中曽根康弘会長)が5月1日、東京・永田町の憲政記念館で開いた「新しい憲法を制定する推進大会」(主催者発表で1250名出席。サテライト会場含む)に、現職首相として初めて出席した安倍晋三氏の発言だ。
安倍氏の演説は、かけ声だけでなく、踏み込んだものだった。「結果(を出す)」を5回、「具体的(な提案)」の語を3回も使用。
そして、「谷垣禎一総裁の時、示した憲法改正草案は党の公式文書だが、そのまま憲法審査会に提案しない。どんなに立派な案でも衆参両院で3分の2を形成できなければ」などと述べた上、民進党の福島伸享衆院議員に「今深くうなずいて頂けた。建設的な議論に参加して頂けると期待する」と秋波を送るなど、手ぬかりなかった。
その福島氏は、「憲法改正するために政治家になった」と力んだものの、「立憲主義に立脚した憲法を」とも発言。閉会後、筆者が「民進党支持者には護憲派はかなりいますが」と問うと、福島氏は「安倍氏(の改憲)には反対です」と答え、ブレを見せた。
安倍氏は、日本会議系の「民間憲法臨調」(櫻井よしこ代表)などが3日、都内千代田区で開いた「公開憲法フォーラム」に寄せたビデオメッセージで、(1)憲法9条1項・2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む、(2)高等教育の無償化、(3)五輪開催の2020年に新憲法施行を――の3点を主張。具体的改憲項目と時期を明言したのは、初めてのことだ。
ビデオ上映後、登壇した公明党の遠山清彦衆院議員は、「わが党の加憲アプローチに合う考え方である」と同調。護憲・リベラル派にとって重大な事態になってきた。
(永野厚男・教育ジャーナリスト、5月12日号)
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