自民区議の後援会に「ヤミ政治団体」の疑い 政治資金規正法違反か
2017年5月25日12:07PM
葉梨康弘衆議院議員(自民)の親族にあたる葉梨俊郎杉並区議会議員(会派名・杉並区議会自民党)の後援会団体が法律で義務づけられた設立届出をしていないことが発覚、違法な「ヤミ政治団体」である疑いが浮上した。
2014年6月の区議補欠選挙に関連した葉梨氏の「選挙運動費用収支報告書」にこう記述がある。
「2014年6月21日/7万円/寄附/はなし俊郎後援会(政治団体)」
「はなし俊郎後援会」という政治団体から葉梨候補(予定者)に対して7万円の寄附をしたという意味である。だが、東京都選挙管理委員会や総務省政治資金課に照会したところ、「はなし俊郎後援会」の届出はなかった。葉梨俊郎氏に関連する政治団体は一つも存在しない。
政治資金規正法6条は、政治団体の活動について、都道府県選挙管理委員会や総務大臣への届出と収支報告書の提出などを義務づけている。また同8条は、無届出のまま寄附を受けたり支出をすることを禁止。違反者に対しては「5年以下の禁錮または100万円以下の罰金」という厳しい罰則をもうけている。
「はなし俊郎後援会」のヤミ政治団体活動がこれらの法律に抵触するのは明らかだ。
葉梨区議の自宅に質問状を送ったが締め切りまでに回答はなかった。
葉梨区議は2003年、自民党公認で杉並区議に初当選。一度落選したのちに14年の補欠選挙で再び議員となり、15年の統一選でも当選して現在にいたっている。
議長だった05年には政務調査費(当時)9万円で冷蔵庫を購入して批判された。15年には、区議選1カ月前の3月末に、杉並区広報を丸写しにしたチラシを2万5000部と大量に作成して配布、経費約80万円を政務活動費で支出した。現在一部返還を求める住民訴訟が東京地裁で続いている。
(三宅勝久・ジャーナリスト、5月12日号)