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<原発事故>指定弁護士、東電元会長らの認識を詳述
2017年6月30日3:01PM
2011年に起きた東京電力福島第1原発の破局的事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の初公判が6月30日午前、東京地裁(永渕健一裁判長)で始まった。元会長の勝俣恒久被告(77歳)が「震災当時、津波による事故を予見するのは不可能でした」と述べるなど、3人とも無罪を主張した。
他に起訴されているのは、ともに元副社長の武黒一郎(71歳)と武藤栄(67歳)の両被告。
冒頭陳述で、検察官役の指定弁護士は、福島第一原発に敷地高さの10メートルを越える高さの津波が襲来することについて、冒頭陳述では〈被告人武藤は平成20年(2008年)6月10日、被告人武黒も遅くとも同年8月上旬には、上記計算結果を実際に認識していました。〉〈平成21年(2009年)2月11日には、当時原子力設備管理部長であったLが「もっと大きな14m程度の津波がくる可能性があるという人もいて」などと発言しているのですから、被告人勝俣も上記事実を知ることができました。〉と断言。〈被告人らが、費用と労力を惜しまず、同人等に課せられた義務と責任を適切に果たしていれば、本件のような深刻な事故は起きなかったのです。〉としている。
指定弁護人による冒頭陳述の全文はこちら。
(伊田浩之・編集部)