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女性差別撤廃条約選択議定書の批准請願を潰した維新の浅田均参院議員

2017年7月14日12:53PM

女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める請願は、参議院では2001年以降、18国会で20件が採択されてきた。ところが、審査を行なう参議院外交防衛委員会理事会で、日本維新の会の浅田均議員が「保留」を強く主張したため、採択されなかった。

選択議定書は、権利侵害を受けた個人や集団が直接通報することを認めるもので、すでに109カ国が批准している。しかし、受理には厳しい要件があるため、批准して活用するメリットより、批准しないことで差別撤廃に消極的な姿勢を示してしまうデメリットが大きいとされている。

請願採択は全会一致が原則であり、審査を行なう外交防衛委員会理事会では、01年以降、選挙等で保留となった以外は全て採択されてきた。採択の翌02年の外交防衛委員会では、自民党の武見敬三委員長(当時)が、「参議院は国民の請願権を最大限尊重する趣旨から請願審査を特に重視している」と前置きし、外務省に検討終了の目途や条約の国会提出時期について説明を求める異例の事態となった。

今回、浅田議員は「保留」の理由として、「サンフランシスコ市で問題になっている『慰安婦』像の設置を応援することになりかねない」と述べたが、これは全くの言いがかりだ。選択議定書について理解していないことも露呈した。

野党の筆頭理事である民進党の大野元裕議員は、「これまで参議院では全会一致で採択してきた。一貫性もある。説明責任もある」と、採択を求めた。共産党の井上哲士議員も「選択議定書は個々の問題に触れるものではなく、『慰安婦』像設置とは関係がない」と指摘した。他の野党議員からも、「保留」に異論が相次いだが、浅田議員は一歩も譲らず、自民党も了承した。

全会一致を盾に、事実に基づかない理由で採択を阻み、参議院の採択の経緯や、請願権を踏みにじる維新に批判の声が上がっている。

(坂本洋子・ジャーナリスト、6月30日号)

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