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中国侵略の盧溝橋事件から80年に記念集会 駐日中国大使も発言

2017年7月25日11:03AM

講演する笠原十九司・都留文科大学名誉教授。(撮影/片岡伸行)

「戦争には前史と前夜がある。今はまさに、戦争前夜に突入するかどうかという状況だ」。日本が中国への侵略を本格化したとされる盧溝橋事件(1937年)の起きた7月7日、東京・元麻布の駐日中国大使館で開かれた「『7・7事変』80周年記念集会」で、歴史学者の笠原十九司さん(都留文科大学名誉教授)はそう述べ、侵略の歴史を否定しながら「戦争政策の仕上げ」(=9条改憲)を目指す安倍政権に警鐘を鳴らした。

集会を共催したのは「不戦兵士・市民の会」(高野邦夫代表代行)、「日中友好8・15の会」(沖松信夫代表幹事)、関東日中平和友好会(新宅久夫会長)、「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」(姫田光義代表)の4団体。まず、挨拶に立った程永華駐日中国大使は「日本軍国主義の戦争責任を明確にすることは歴史の教訓を銘記し、二度と戦争を起こさず、未来を築くため」とし、両国の国交正常化45周年、来年の平和友好条約締結40周年という節目での集会の意義について語った。

4団体の代表はそれぞれの思いと団体の経緯を語りながら、「侵略戦争を心から反省し、歴史を正しく見つめる大切さを次世代に引き継いでゆきたい」などと述べた。

昨年11月にマウンテンバイクで瀕死の大事故を起こし、6月7日に退院したばかりという笠原さんは、近刊の『日中戦争全史(上・下巻)』(高文研刊)を紹介しながら、盧溝橋事件に至る背景や海軍と陸軍の確執などに触れ、日中戦争前夜の田中義一内閣と現在の安倍政権の共通性も指摘。「歴史を学ばない、学ばせない。その典型が日本。盧溝橋事件と同じようなことが尖閣列島で起こらないという保証はない。戦争前夜に突入しないよう、叡智ある国民になってほしい」などと結んだ。

講演後は、紫金草合唱団(大門高子代表)の合唱朗読『紫金草物語』が披露され、男女約40人による平和を希求する歌声が響いた。

(片岡伸行・編集部、7月14日号)

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