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遺伝子組み換え企業から公共品種守るため「日本の種子を守る会」設立
2017年7月27日12:38PM
「日本の種子(たね)を守る会」の設立総会が7月3日、参院議員会館講堂で開かれ、4月に国会で廃止が決まった主要農作物種子法(種子法)に代わり種子の公共品種を守る新たな法律の制定を求める方針を決めた。
同会は種子法廃止を受け、山田正彦元農水相が中心となって結成を呼び掛けてきた。同法は稲や麦、大豆などの穀物種子を国が管理して各都道府県が原種を維持することを定め、種子を農家に安定供給することを可能にしてきた。コメの種子が100%国内自給できたのは、同法によるところが大きい。
しかし、規制改革推進会議は同法の存在が「民間企業の参入を阻害している」として廃止を打ち出し、2月に閣議決定。十分な審議もなく4月14日、参院本会議で廃止法が可決、成立した。これにより、いずれ世界の遺伝子組み換え企業が日本の種子市場を支配していくことは避けられない。
会場には350人の市民が詰め掛けた。総会に先立ち、発起人代表でパルシステム連合会前理事長の山本伸司氏が会設立の経緯を説明。西川芳昭龍谷大学教授が「種子の多様性を守る~人間と植物の共生の視点から」の題で講演した。
総会では参加者から活発な意見が交わされ、「私たちは大きな公共財産を失うかもしれない瀬戸際にいる。前の世代から受け継いだ豊かな財産を将来の世代へとしっかり渡していく責任がある。それには日本に種子の公共品種を守るための新たな法律が必要と考える」などとする設立趣意書が採択された。
会費や役員などを規定した会則を承認するとともに、発起人代表でJA水戸の八木岡努氏を会長に選出。山田氏は顧問に推され、受諾した。
同会は国会議員や地方議会などに働き掛け、種子法が廃止される2018年3月末までに新法制定を実現する構えだ。
(高橋清隆・ジャーナリスト、7月14日号)
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