相模原障がい者施設殺傷事件から1年 追悼式への違和感とは
2017年8月25日6:32PM
昨年7月26日、神奈川県相模原市の「津久井やまゆり園」で障がい者19人が刺殺、27人が重軽傷を負った相模原障がい者施設殺傷事件から約1年。7月24日、相模女子大学グリーンホールで、県・市・かながわ共同会共催の追悼式が行なわれた。
最初に違和感を感じたのは無機質すぎる祭壇。19人の名前も公表されず、家族会や園長の追悼の辞でも「◯◯のあなた」とだけ。この日も存在が消されている。悔しい。約670人が出席の中、車椅子のひとは10名程度で、今入所している仲間の声も聞けない。塩崎恭久厚労相が代読した安倍総理のメッセージや、出席した黒岩祐治県知事の式辞で繰り返された「19人の御霊よ安らかに」のフレーズ。官僚が考えた言葉をただ読んだとしか思えなかった。形式的な1時間程度の追悼式。
私たちは、「私たち抜きに私たちのことをきめるな」をスローガンに地域で活動してきた。県が設置した部会による再生基本構想がもうすぐまとまるが、知的障がいの当事者は1名のみ。この事件に関して、国県・市町村・かながわ共同会は、さらに連携を取るべきであり、国は、分離・隔離政策をしてきたことを当事者や家族に謝罪し、インクルーシブ(包摂)教育や介助者(ヘルパー)不足等、生きる為にお金を使うべきだ。私たちは最後まで地域で生きたい!
(猿渡達明・一歩の会、8月4日号)