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小池都知事の無電柱化推進で都心の街路樹が伐採の危機
2017年9月1日5:46PM
東京都心部の歴史ある街路樹が次々と切られようとしている。道路拡幅や無電柱化などが主な理由だが、環境や景観を重視する住民たちから反対の声が上がっている。
学生街の明大通り(千代田区、535メートル)では8月下旬からプラタナス約70本がなくなろうとしている。千代田区道路公園課では「樹木医の診断の結果、移植可能なプラタナスはできるだけ移植して、マグノリアに植え替える。道路拡幅の要望は多い」と説明するが、千代田の街路樹を守る会の愛みち子さんはこう憤る。「プラタナスは樹齢50年で、パリの学生街カルチェ・ラタンを思わせる大木に育った。工事は2期に分かれていて、御茶ノ水駅から山の上ホテル入り口の1期工事区間は、両側の歩道をわずか25センチずつ広げるだけ。第2期は明治大学側約1・6メートル・日本大学側約1・4メートルを拡幅するそうですが、プラタナスを残したまま工事することは十分可能なはずです」。
中央区では現在、日本橋本町から日本橋小舟町までの歩道約190メートルを改修して無電柱化しようとしている。樹齢80年の由緒あるイチョウ9本を含む約26本(2本は移植)がなくなる予定だ。中央区の小坂和輝区議はこう話す。
「ビル街に潤いを与える素晴らしい並木です。伐らずにすむ代替案を十分に検討したとは言えません。説明会を開催するなど住民にしっかりと説明がされていないことも大問題です」
ある都政関係者は「小池百合子新知事は阪神・淡路大震災の教訓から無電柱化に熱心で、6月議会で東京都無電柱化推進条例を成立させました」と話す。無電柱化が加速すれば同様の問題が今後頻出する危険性がある。
ヒートアイランド現象の緩和に役立つ大木の街路樹をどうするのか。「街路樹を普段意識する人は少ない。突然撤去されないように注意してみてほしい」(前出の愛さん)
(伊田浩之・編集部、8月18日号)
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