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「香害110番」に柔軟剤の被害殺到 改善要求も消費者庁はゼロ回答

2017年10月6日12:11PM

8団体(右)の要望を聴く消費者庁の担当者(左)=8月28日、消費者庁。(撮影/岡田幹治)

日本消費者連盟(日消連)が7・8月の2日間に実施した「香害110番」には、ファクス・メールを含めて213件の要望が寄せられた。

最も多かったのは、近隣の洗濯物の柔軟剤のニオイによる被害。「隣人が使う柔軟剤で苦しんでいる。管理人を通して使用をやめてもらうよう頼んだが、らちがあかない」「他人の柔軟剤のニオイで呼吸困難や吐き気を感じるようになり、耳鼻科を受診したが、『治療できない。精神科で診てもらいなさい』と言われた」などだ。

訴えに共通するのは、(1)頭痛をはじめとする多様な症状が続き、発症前のような生活が困難になった、(2)特殊な人とみられて理解されず、孤立しがち、(3)今後も被害者が増える可能性のある、一種の公害問題であることを広く知らせてほしい――の3点だった。

これを受けて日消連、化学物質過敏症支援センター、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議など8団体は、要望書を消費者庁・国民生活センターに提出し、8月28日に懇談会を開いた。

要望は▽国民生活センターが「香害110番」を開設して実態を把握する、▽被害者がいることを周知徹底し、使用者に自粛を求める啓発をする、▽柔軟剤などを家庭用品品質表示法の対象品目に指定する――など5項目。

出席した官庁側の担当者8人のほぼ全員が柔軟剤を使用しており、「香害」について何も知らなかった。要望に対して消極的で、団体側は文書での回答を求めたが、9月4日に電話で「専用窓口は設けないが、実態把握は検討する」「啓発については考えないでもない」「対象品目指定は、業界などの意見を聞き、必要と判断すれば、共管の経済産業省と協議する」などと回答してきた。

「香害」被害をなくすため、8団体はさらに運動を続ける。

(岡田幹治・ライター、9月22日号)

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