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衆院選に向け、国会周辺に市民ら1300人 「リベラル結集」「改憲阻止」を
2017年10月16日12:20PM
「安倍政権を必ず倒そう!」「みんなの力で政治を変えよう!」。参加者が国会議事堂(東京・千代田区)に向かって、声を上げた。9月28日の衆議院解散に合わせ、国会周辺に集まった1300人(主催者発表)が、国政を私物化した安倍首相への怒りを爆発させた。
この日、国会周辺では「憲法9条を変えるな!安倍内閣退陣9・28臨時国会開会日行動」が開催された。主催は「安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会」など3団体。
森ゆうこ参議院議員(自由党)が壇上に上がると、参加者から「野党は共闘せよ」の声がかかる。森氏はその声に応え、「さまざまな違いを乗り越えて野党が結集し共闘することが国民の願い」だと強調し、「どんな共闘になるかが問題で、それには市民の後押しが必要」だと訴えた。
民進党は、「名を捨てて実を取る決断」「好き勝手な安倍政権を終わらせるため」(前原誠司代表)だとして、小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」への合流を決めた。これによって、民進、共産、自由、社民の野党4党による共闘は破綻した。
壇上に立った共産党の志位和夫委員長は、「希望のかけらもない」希望の党は「自民党の補完勢力にすぎない。こういう勢力との共闘は不可能」だとして、希望の党公認で出馬する候補者に対抗馬を出す方針を明らかにした。福島みずほ参議院議員(社民党)も、「希望の党は憲法改正を公約に掲げている。リベラル勢力の結集で憲法9条改悪を阻止しよう」と訴えた。共産、社民はできる限り候補者を一本化することで合意した。
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)の山口二郎・法政大学教授は、「全国では野党と市民による血の滲むような努力で民主主義を守る態勢ができつつある。安倍政権退陣のためにみんなで投票に行こう。民進党に期待していた自分が愚かだと思うが、そんなことを言っても仕方がない。やれることをやっていこう」と呼びかけた。
全国労働組合総連合(全労連)の小田川義和議長は、「国政を私物化し、民主主義を破壊した安倍首相の暴挙は見過ごせない」として、今回の選挙を安倍退陣につなげたいと訴え、「市民と野党をつなぐ会@東京」の鈴木国夫さんは、運動を通じて「政治は地域から作れるし、候補者と一緒に作れるという新たな発見をした」と述べた。
「安倍政権にNO!東京・地域ネットワーク」共同代表を務める岡本達思さんの地元、板橋区では、昨年11月に「チェンジ国政!板橋の会」が発足。同会では、自分たちの声を真剣に届けてくれる人を国会に送りたいと思い、野党共闘を実現するために奔走してきた。民進党の希望の党への合流で先行きは不透明だ。岡本さんは「小池さんには安倍首相と同じにおいを感じる」と警戒。「目先の選挙のために希望の党を選んでいいのか」と、民進党の希望の党への合流に不信感を表した。「都民ファーストなんかじゃない。自分ファースト」と小池氏を非難するのは乾美紀子さん。若者たちには「戦場で戦わずに選挙で戦え。戦う相手は安倍政権」と訴える。
東京・足立区から参加した鎌田由利子さんは、「希望の党は第二の自民党。このままでは二大極右政党になってしまうとの危機感を持っている」と語る。「大人が責任をもって、子どもたち、次世代の将来のために、平和で安心できる世の中にすべきだ。それを問う選挙だと思う」。
【憲法研究者有志が声明】
前日の27日には、愛敬浩二(名古屋大学)、青井未帆(学習院大学大学院)の各氏ら90人の憲法研究者有志一同が緊急声明を発表し、解散・総選挙にいたる手順が、憲法の規定する議会制民主主義の趣旨にそぐわず、衆議院総選挙とその結果が、憲法と立憲主義を危機にさらすものであると非難した。また、憲法9条3項への自衛隊明記規定の追加は、「憲法の平和主義に対する脅威」だと指摘した。
選挙で問われているのは「自公vs.希望」ではなく、憲法への姿勢だ。
(文聖姫・編集部、10月6日号)
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