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現実味帯びてきた「国民投票」――「ルール設定」で円卓会議
2017年11月9日10:59AM
憲法改正の是非を問う国民投票が現実味を帯びてきた。総選挙を終えて、改憲論議が急速に進む可能性もあるが、国民投票のルール改善を求める動きは鈍い。
そうしたなか、「国民投票のルール設定を考える円卓会議」(「国民投票のルール改善を考え求める会」主催)が、10月12日、東京・千代田区の参議院議員会館で開かれた。
主な論点は、テレビCM。国民投票法では、投票日の2週間前からはCMを流せないが、「この規定には抜け穴がある」と、ジャーナリストの今井一氏は指摘した。禁止されているのは、「国民投票運動のための広告放送」(同法105条)。国民投票運動とは、「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為」(100条の2)で、「賛成」か「反対」に1票を投じることを勧誘するCMは流せなくても、それ以外の内容なら流せることになる。たとえばタレントが「私は賛成(反対)します」というのはOKだ。
もう一つの問題点は公平性。テレビCMを流すのには高額な費用がかかるため、資金力に応じて、本数や分量に不平等が生じる。
会議では、「意見広告は全面禁止すべき」とする映画監督の宮本正樹氏の意見から、「CMも表現の自由の一環。『表現の自由』と『公平性の確保』という二つの価値とアプローチを踏まえながら調整すべきだ」とする田島泰彦・上智大学教授の意見までさまざまだ。
作家の本間龍氏は、「CMの放送回数に上限を定めるべき」だと語った。「法案成立に向け国会で議論すべき。立憲民主党に期待する」としたが、元衆議院議員の三宅雪子氏は「国会での法改正は難しい。独自のルールを作るようメディアに働きかけをした方が現実的」との意見だ。堀茂樹・慶應義塾大学名誉教授は、「超党派で議員連盟を作るのも良い」と述べた。
「求める会」では、選挙後の11月にも再度会議を開く予定だ。
(文聖姫・編集部、10月27日号)