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集計漏れの福島の子どもたちの甲状腺がん数、いまだ把握せず

2017年11月16日5:14PM

10月23日に開かれた福島県「県民健康調査」検討委員会で、東京電力福島第一原発事故以来、行なわれてきた当時18歳以下の甲状腺検査の結果が報告され
た。

検査対象約37万人のうち、1巡目(2011~13年度)では受診した約30万人のうち116人が、2巡目(14~15年度)では約27万人のうち71人が、3巡目(16~17年度)は約12万人中、新たに3人増えて7人、計194人が甲状腺がんまたはその疑いが診断されている。100万人に1~3人とされる子どもの甲状腺がんだが、今回も「多発論」は皆無だった。

前回(6月5日)の検討委員会で、2次検査で「経過観察」とされた後に甲状腺がんの摘出手術を受けた4歳児の症例が集計に含まれていないことが明らかとなり、環境省の梅田珠実環境保健部長が「手術症例を統計として求めて報告していただく」と指摘。福島県立医科大学の大津留晶甲状腺検査部門長は「経過観察」とされ保険診療扱いとなったうち、「半数以上が次回の一次検査を受診」しているとだけ述べ、その後の対応が注目されていた。

だが、それから5カ月近くが過ぎたにも拘わらず、未だ集計は行なわれておらず、県立医科大学ふくしま国際医療科学センターの横谷進甲状腺・内分泌センター長が、「大学の倫理審査委員会で承認され次第」、医科大学内で「がんまたは疑い」と診断された患者が甲状腺検査の集計外であるかを、放射線医学県民健康管理センターに照会して、集計から漏れている人数を把握すると説明を行なった。

今回、検討委員会と甲状腺検査評価部会の任期切れにより、前者は再任が多数、後者は全員が入れ替わった中、日本甲状腺学会から推薦を受け両方の委員となった高野徹大阪大学大学院講師(内分泌代謝内科学)が検査の継続的に消極的なスタンスを露わにした。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、11月3日号)

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