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菅野完氏の控訴審が即日結審 加害行為の軽視主張、慰謝料減額求める

2017年12月1日6:04PM

初対面の女性に性的暴行を働いたとして、一審で慰謝料100万円を含む損害賠償110万円の支払い命令を受けた『日本会議の研究』著者・菅野完氏の控訴審が11月7日、東京高裁で始まった。一審で性的暴行の事実について大きな争いはなかったが、菅野氏は8月12日付で控訴。「(性的暴行の)回数が1回であり、かつ短時間のうちに終わっている」など自らの加害行為を軽視する主張のもと、慰謝料の減額を求めている。

菅野氏は2012年初夏、同氏主催の運動に賛同する被害者と初めて対面し、「公安に追われている」「パソコン作業の必要がある」と説明し被害者宅に移動。被害者をベッドに押し倒し、キスをしようとしたほか、「抱っこ」を要求した。体を離した後も性的欲望を伝え続けた。被害者は15年末に民事訴訟を提起し、一審は、性的暴行により被害者がカウンセリングを受けるようになったことも認めた。

控訴した菅野氏は、控訴提起から50日以内の提出と定められている控訴理由書を、期限が過ぎた10月10日になって提出。冒頭の主張のほか、「押し倒し、キスをしようとしたにとどまる」「胸部や臀部、股間等、女性の身体の中でも特に性的自由侵害の程度が高い部位には触れていない」などと弁明した。また、「慰謝料は5万円を超えることはない」と一審と同様の主張も展開した。

これに対し被害者は、一審判決が認定したように、拒絶されていることを認識した後も菅野氏はしばらくの間、押し倒した体勢を続け、その後も性行為を求める言動を繰り返しており、「相当悪質」だと指摘。7月13日に施行された改正刑法では「強制性交等罪」に性交類似行為が含まれるようになったことを挙げ、一審判決は維持されるべきだとした。さらに、判決日に、菅野氏側の三浦義隆弁護士が事実でないことや一方的な解釈に基づく裁判についてのブログ記事を公開したことで、誹謗中傷にさらされ、二次加害(セカンドレイプ)にも苦しんでいるとした。

東京高裁は両者の主張を受け、11月7日に即日結審した。判決は来年2月8日15時半。一方、被害者側は8月24日付で千葉県弁護士会に三浦弁護士の懲戒請求をした。弁護士会は三浦氏に答弁書の提出を求めているが、まだ提出されていないという。

(本誌取材班、11月17日号)

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